『中手』不動産会社店長のブログ

不動産会社の店長が日々を綴ります

一方の言い分だけではわからない

『中手』不動産会社店長です。

 

仲介をやっていると、双方の言い分が違うことがよくあります。

共有の不動産を売るときに、共有者のことをあーだこーだ悪口言ってるけど、実際には本人が問題児だったり。

今回はそんな話です。

 

4年ほど前に、他の仲介業者から買取の打診がありました。

都内某所の広めの土地。

3メートルの路地状部分で公道に接道する、70坪位の土地です。

道路は広く、住環境も良好です。

 

ワタクシは気に入って、結構良い条件で取り纏め依頼書を発行しました。

売主さんとの調整が難航したようで、当時は買うことができませんでした。

 

 

その後半年ほど経って当社のHPから査定依頼があり、見たらその土地でした。

取り敢えず査定報告書はメールし、紹介してくれた仲介さんに依頼するよう促しました。

売主さんとはメールのやり取りだけでしたが、なんとなく良い印象ではなかったんです。

 

そして今年の1月にその方から再度メールがあり、相続が完了したので売ることにしたと言います。

・土地は奥様の実家で、相続によりそのお兄様との共有

・お兄様も売却に同意している

・今まで時間がかかったのはそのお兄様との調整が難航していたから

・お兄様は病気があって動けないが、強欲かつ金が無いから売却を急いでいる

・当時の仲介さんとの関係はもう切れている

・ちょっと査定を頼んだだけなのに、仲介の担当者がいろんな業者に情報を出した

・当社が一番良い条件だった

 

こんな内容です。

 

どうやらお兄様がクセモノのようですね。

しかし共有者である以上、お兄様からも媒介契約書を頂く必要があります。

意思確認も含めてお兄様を訪問します。

 

会ってみるとクセモノではなく、むしろとっても良い方です。

無事媒介契約書を交わし、まずは一般の方向けに高めの値段で売出します。

 

売出しから4ヶ月を経過した頃、ハウスメーカー経由で買主さんが現れました。

良い条件なので売主さんも納得し、あとは契約するだけ。

 

契約の日程や持物のご案内をメールしますが…返事が無く、電話も出ない。

契約直前になって急に電話してきて、そんな大事な連絡だと思わなかったから遅くなったとかキレ気味に言います。

何とか無事契約しました。

 

契約の場では売主さん(正確にはそのご主人)も大人しい。

そう、会うと借りてきた猫のように大人しいんです。

 

その後、ハウスメーカーの地盤調査があって敷地内で作業しました。

そしたら、作業員が近所に挨拶しなかったとかクレームの電話を入れてきた。

ワタクシに言ってくるのではなく、ハウスメーカーに直接。

しかも作業から1ヶ月後です。

ハウスメーカーさんも困ったと思いますね。

 

そんなことがありつつ迎えた決済の日。

売主さんが『水道の蛇口を閉めてもメーターが回っていて、どこかで水漏れしてるみたいなんだ』と言います。

どうせ解体予定だから大した話ではありません。

メーターのところで止めとけば良いだけです。

 

ところが売主さん(のご主人)が水道局にクレームを入れ始めます。

『どうしてくれるんだ』『水道代はどうなるんだ』『検針員が細工したんだろ』

その場の全員がぽかーん😯

 

結局水道メーターを取り外すことで落ち着いたようですが、全く無駄な話です。

水道局の人が気の毒。

 

時間はかかりましたが、決済は無事?完了。

 

当初売主さん(のご主人)に悪く言われたお兄様は終始協力的で良い方でした。

そして、クセモノは売主さん(のご主人)だったと言うわけです。

 

何事も双方の言い分を聞いたり、会ってみないと分かりませんね。

この仕事をやっているとつくづくそう思います。

 

と言うわけで、今日も頑張って仕事します。